特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《漢方薬》
漢方薬:上部消化管領域
武田 宏司
1,2
Hiroshi TAKEDA
1,2
1北海道大学大学院薬学研究院臨床病態解析学
2北海道大学病院消化器内科
キーワード:
機能性ディスペプシア
,
食後愁訴症候群
,
心窩部痛症候群
,
六君子湯
,
安中散
Keyword:
機能性ディスペプシア
,
食後愁訴症候群
,
心窩部痛症候群
,
六君子湯
,
安中散
pp.293-297
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_293
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Summary
▪漢方薬は上部消化管の機能性疾患,とくに機能性ディスペプシア(FD)に対して使用されてきた.
▪FDに対して西洋薬の効果は限定的であり,漢方薬に期待が寄せられている.
▪食後愁訴症候群(PDS)の第一選択は六君子湯であり,その他,半夏瀉心湯,茯苓飲,人参湯が使用される.
▪心窩部痛症候群(EPS)の第一選択は安中散であり,その他,半夏瀉心湯,茯苓飲,人参湯,黄連湯,柴胡剤が使用される.
▪六君子湯は,胃排出促進,胃適応弛緩改善作用に加え,血中グレリンを増加させる作用を有する.
▪FDに対する六君子湯の効果について,ランダム化比較試験(RCT)を中心とした臨床的なエビデンスが構築されつつある.
▪FDに対する漢方薬の有用性は,最新のガイドラインや海外の総説にも取り上げられている.
© Nankodo Co., Ltd., 2018