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投稿 症例
ステロイドパルス3回施行後増悪再燃をきたした難治性甲状腺眼症に対してcyclophosphamideパルス療法が有効であった1例
Intravenous cyclophosphamide pulse therapy is effective for refractory Graves’ Ophthalmopathy who has relapsed after glucocorticoids pulse therapy
杉野 祥子
1
,
岡田 洋右
1
,
鳥本 桂一
1
,
田中 良哉
1
S. Sugino
1
,
Y. Okada
1
,
K. Torimoto
1
,
Y. Tanaka
1
1産業医科大学医学部第一内科学講座
pp.1245-1248
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1245
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は じ め に 甲状腺眼症は,甲状腺自己免疫疾患に伴う眼病変でTSH受容体や外眼筋抗原に対する自己免疫機序によって生じると考えられている.Basedow病の25~50%,橋本病の2%程度に認められるとされ,頻度の高い甲状腺外病変である1).
甲状腺眼症の診療においては,中等症~重症例で活動性を有する症例に関しては,静脈内グルココルチコイド投与と放射線治療が標準療法となっており2),その有効性が報告されているが治療抵抗性症例も存在する.さらに,ステロイドパルス療法でも活動性が制御できない難治例に対しては他の免疫抑制療法が推奨されているが,甲状腺眼症に対する免疫抑制薬の使用に関しては十分な報告がない.今回,ステロイド治療不応性の難治性甲状腺眼症に対してcyclophosphamideパルス療法(以下,IVCY療法)が有効であった症例を経験したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018