特集 内科医と睡眠障害―睡眠障害の診断と治療をプライマリ・ケアに
不眠の原因と治療
内分泌・代謝疾患における睡眠障害
山田 真介
1
,
都井 律和
1
,
稲葉 雅章
1
Shinsuke YAMADA
1
,
Norikazu TOI
1
,
Masaaki INABA
1
1大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学
キーワード:
睡眠障害
,
糖代謝
,
脂質代謝
Keyword:
睡眠障害
,
糖代謝
,
脂質代謝
pp.1095-1100
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1095
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Summary
【糖代謝と睡眠障害】
▪糖尿病患者のおよそ40%が何らかの睡眠障害を自覚している.
▪夜間頻尿や有痛性末梢神経障害,睡眠時無呼吸症候群などの合併によりさまざまなタイプの睡眠障害をきたす.
▪睡眠習慣の乱れは糖尿病発症・悪化のリスク因子となる.
▪血糖コントロールの悪化は夜間の交感神経活性を賦活化させ睡眠障害を惹起する.
▪睡眠障害はうつ症状や心血管系疾患発症の原因となる.
▪睡眠時無呼吸症候群に伴う持続的な夜間低酸素血症は腎症の発症・増悪に寄与する.
▪睡眠障害を治療することで血糖コントロールを改善しうる可能性がある.
【脂質代謝と睡眠障害】
▪慢性的な短時間睡眠の習慣は脂質異常の発生・悪化のリスク因子となる.
▪閉塞性睡眠時無呼吸症候群は肥満とは独立した脂質異常発生・悪化のリスク因子となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2017