1枚のシェーマ
術野のひらめきで生まれた起死回生の一手
安田 卓司
1
1近畿大学外科上部消化管部門
pp.34
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu79_34
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図は,気管浸潤胸部進行食道癌で根治的化学放射線療法を受けたが,腫瘍が食道とともに消失し,気管-縦隔-胸腔瘻を発症した患者の緊急手術の手術所見である.広背筋皮弁によるパッチ閉鎖を予定していたが,左肺門~気道周囲は強固な瘢痕組織で固定され,筋弁が入る余地はまったくなかった.ボリュームがなく,気密性高く修復でき,気道内圧にも耐え,かつ感染にも強い組織はないか? 万事休すかと思ったとき,遊離心膜パッチの論文を読んだことを思い出し,有茎で心膜パッチを縦長に作成すれば血流を維持して瘻孔部まで届くし,椎体があるので心臓の逸脱もないであろうとひらめき,それしかないと信じて手術を行った.
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