1枚のシェーマ
はじめての気管分岐部切除再建術
棚橋 雅幸
1
1聖隷三方原病院呼吸器センター外科
pp.946
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu77_946
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卒後12年目の2005年,現病院に赴任して3年目に経験した症例である.67歳,男性.右上葉支を閉塞し気管まで進展した扁平上皮癌(cT4N2M0,臨床病期ⅢB期)で,近隣の総合病院では手術ができないため当科に紹介された.化学療法後に,後側方切開で右上葉切除+気管分岐部切除再建+縦隔リンパ節郭清術を施行した.手術時間8時間30分,出血量1,760 mlであった.術前治療が奏効しEf2が得られた.筆者はそれまで定型的な気管支形成術を数例経験した程度であったが,恩師の丁寧な指導と巧みなアシストによりトラブルなく完遂できた.第2吻合(左主気管支-右中間幹,側端吻合)では,糸さばきと結紮に苦労した覚えがある(図1).
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