1枚のシェーマ
食道粘膜下腫瘍の1切除例
上野 正紀
1
1虎の門病院消化器外科
pp.36
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu75_36
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「食道の粘膜下腫瘍はたいてい核出できる」と教えられてきたし,これまでもそうしてきた.下部食道を全周に取り囲む食道粘膜下腫瘍の症例である.超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)で平滑筋腫の診断がついていた.さすがに下部食道切除が妥当と考えたが,本人は食道切除を避けたいという強い希望であった.下部食道切除の可能性も納得していただいたうえで手術を行い,胸腔鏡下に核出しえた.これならばあらゆる粘膜下腫瘍は核出を試みるべきと決心できた症例で印象深い.
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