まい・てくにっく
複数の静脈グラフト・大動脈吻合のコツ
嶋田 正吾
1
,
土井 潔
2
1東京大学心臓外科
2岐阜大学心臓血管外科
pp.1084-1085
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu74_1084
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
ノータッチ大伏在静脈(NT-SVG)の長期開存率における優位性が指摘されている.周囲脂肪織を含めて採取し,採取後はシリンジを用いた加圧による拡張は行わない.拡張操作を行わないため,血管径はconventionalなものに比べて細く,2~3 mm程度となることが多く,また血管壁も厚い.血管径が小さいため,中枢吻合においては吻合部の天井が潰れた形状になりやすい.複数の静脈グラフトを用いる際には,個別の吻合孔を作成する従来の方法ではなく,一つの吻合孔に重ねて吻合するpiggyback法を用いることで,天井に膨らみをもたせることができ,吻合形態が良好になる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021