胸部外科医の散歩道
同 門
河田 政明
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター・成人先天性心疾患センター小児・先天性心臓血管外科
pp.1030
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu72_1030
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- 文献概要
私の心臓血管外科への道のきっかけとなったのは,学生当時岡山大学第二外科学教授であった寺本滋先生のFallot四徴症の心音・心雑音についての質問であった.うまく答えることのできなかった私はその説明を聞き,先天性心疾患への興味を深くしていった.卒業前に進路を決めようとした私に岡山大学第二外科での心臓外科への扉はなぜか閉ざされてしまい,学外の世界へ進む選択肢が目の前に開かれることになった.基礎教室におられた先輩の助言で,市内の関連施設に在籍されていた二人の東京女子医科大学の先生方から,東京女子医科大学の日本心臓血圧研究所(心研)のこと,創始者・榊原仟先生のことを伺い,榊原先生が新たに創設された心臓専門病院(榊原記念病院)のことを伺い,榊原先生の教えを受けたいと考え榊原記念病院に稚拙な手紙を送ったところ,丁寧なご指導のお返事をいただいた.さらに初期研修医として東京女子医科大学への入局を勧められ,予想もしていなかったところで研修を始めた.
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