連載 行ってきました! 海外留学 (第46回)
カナダ アルバータ大学ストーラリィ小児病院
鵜垣 伸也
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児先天性心臓血管外科
pp.524-525
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu71_524
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筆者は2011年5月~2014年7月の約3年弱,カナダアルバータ州エドモントンにあるアルバータ大学ストーラリィ小児病院に研究および臨床留学した.アルバータ州はoil sandが採れ,非常に経済的に豊かな州で医療費・教育費は無料であった.エドモントンはアルバータ州の州都でカルガリーの北部にあり,人口約100万人の都市である.ロッキー山脈および観光地のジャスパーから車で約5時間の距離にある.アルバータ大学に隣接して大学病院があり,その中にストーラリィ小児病院がある.当施設は,カナダではトロントに次いで2番目に大きい小児心臓血管治療施設であり,アルバータ州だけでなく,ブリティッシュコロンビア州の一部,マニトバ州,サスカチュワン州などのカナダ中西部の心臓病の子供の治療を担っている.小児開心術は年間約400例,成人先天性心臓手術も約100例程度あり,小児心移植も年間約15例前後行っている.同じ手術室のフロアで大人の心臓手術も行っており,年間約1,500例の開心術および100例前後の心移植を行っており,カナダでもっとも大きな移植センターの一つである.小児循環器でも3Dエコー,術後の精神・知的発達の評価などの研究が活発な施設である.上記のようにカナダの広大な4州から患者を集めているため,毎週火曜日に各州のドクターとビデオカンファレンスを行い,症例検討をしていたのには感銘を受けた.
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