特集 骨転移患者への看護のモヤモヤ,すっきりさせましょう!
特集にあたって
余宮 きのみ
1
Kinomi YOMIYA
1
1埼玉県立がんセンター緩和ケア科
pp.479-479
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_479
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骨転移のある患者さんの看護,モヤモヤしませんか?
どこまで動いていいの? どんな生活指導したらいいの? 安静度が厳しい患者さんの食事や排泄,どう看護したらいいの? 安静度がストレスな患者さんにどう対応したらいいの? いつまでこの安静度なの? 放射線治療中は何に注意して看護したらいいの? 放射線治療が負担な患者さん,どうしたらいいの?……
本号は,そんな骨転移看護に悩めるあなたへの特集号です.
がんの終末期には,半数以上の患者が骨転移をきたしていると考えられています.全症例で,骨転移による症状が問題となる訳ではありませんが,骨転移痛にうまく対処できなかったり,麻痺が生じたり,廃用症候群を合併した際には,今までどおりの自立した生活がむずかしくなります.そして,動けなくなることは,心理社会的な苦痛,他者への負担感や“人に世話になりながら生きる意味が見出せない”といったスピリチュアルペインにつながることさえあります.
加えて,がん治療の進歩により,患者のこうした悩み多き骨転移と付き合いながら生活する期間も延長しています.本号では,骨転移で悩める患者さんのいちばんそばにいる看護師が,患者さんを幸せにするために必要な知識を得られるよう,臨床経験豊富な先生方にご執筆いただきました.今,目の前で苦しんでいる患者さんにお役立ていただければ幸いです.
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