特集 がん医療における「家族ケアの課題」 ~困難事例への解決アプローチ~
よくある家族ケアの困りごとと具体的アプローチ
複雑な家族への多職種連携の実践
上田 美佐江
1
Misae UEDA
1
1がん研究会有明病院トータルケアセンター医療連携部地域連携室/医療ソーシャルワーカー
pp.176-180
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_176
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はじめに
ここ数年,緊急入院をした患者の未成年の子が家に取り残されるという問題や,死を迎える患者の子の養育の方向性が定まっていない問題など,病気の親をもつ「子」に関する問題が,多く見受けられるようになった.核家族化(家族構成が小さくなっていること)や離婚率の増加,地域社会の人間関係の希薄化などがまず理由に挙げられる.加えて,令和4年度の診療報酬改定で,ヤングケアラーに関する加算がつけられたことからもわかるように,以前であれば見逃されていたかもしれない病気の親をもつ子の問題を,社会全体で取り組むようになってきたことも一因と考える.
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