特集 化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN) ~しびれに悩む患者に,なにができるか~
Ⅲ.症状マネジメント
治療中のアセスメントとケア
大路 貴子
1
Takako OOJI
1
1神戸市立医療センター西市民病院 看護部/がん化学療法看護認定看護師
pp.552-554
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_552
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症状緩和へのケア
薬物療法
化学療法誘発性末梢神経障害(chemotherapy induced peripheral neuropathy:CIPN)の発症や症状増悪を予防するための薬物療法として,実臨床の場では,牛車腎気丸やビタミンB12などの投与が行われることがある.しかし,十分なエビデンスが得られていないことから,『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き2017年版』でも牛車腎気丸については「推奨しない」1),ビタミンB12については「有効性は明らかではない」2)などの記載にとどまっている.
CIPNの症状緩和目的では,デュロキセチンが「弱い推奨」3)とされており,いくつかの臨床試験の結果からも効果が期待されている.しかし,有害事象(眠気,倦怠感など)に注意が必要であることや,CIPNに対しては保険適用外使用となることから,デュロキセチンを投与することのリスクとベネフィットを考慮して,患者,医師とともに投与の可否を相談する.
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