特集 アピアランスケア Up to Date
放射線療法による外見変化に対するアピアランスケア
飯野 京子
1
Keiko IINO
1
1国立看護大学校
pp.252-255
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_252
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はじめに
放射線療法における有害事象の中でも外見変化で課題の多い皮膚炎は,治療を受けた患者の9割以上に生じ1),急性反応は総線量に,遅発性反応は分割線量に左右される.乳がん患者の症例解析によると放射線皮膚炎は発赤,乾燥,色素沈着,皮膚温の変化などが年単位に長期間にわたることが示された2).皮膚炎は頻度の高い有害事象ではあるが,症状発症部位が治療部位であることから,予防および変化が生じた場合の対応は,治療精度への影響が考慮され,医学的な判断が重要となっている.標準的な方法が確立されていないために,治療中の日常的な清潔行為や保湿などは試行錯誤の中にある.
本稿では,ガイドライン20213)に記載されている,放射線皮膚炎と「洗浄」,「保湿薬の使用」,「副腎皮質ステロイド外用薬の使用」,「デオドラント剤の使用」,「外用薬塗布」への関連について取り上げ,エビデンスと推奨されたケアについて解説する.
射線治療に関する重要臨床課題(BQ・CQ・FQ)と推奨/ステートメントについては表1に提示した.
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