特集 研究を活かしケアにつなぐ看取りのエビデンス
看取り期の家族ケア ~この時期にとくに必要なコミュニケーション~
本田 順子
1
Junko HONDA
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.694-697
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_694
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はじめに
看取り期には,患者本人が身体的精神的苦痛を感じるだけでなく,それを見守る家族も大きな苦痛を体験する.とくに日本人は,自身の終末期医療に関して自己主張をあまりせず,本人と家族が一体となり,時には家族だけで意思決定をする文化がある1).家族の権限が大きいので本人の意思だけでなく家族にも十分に気を配らなければいけないところが,日本の終末期医療の最大の特徴とむずかしさであるとの指摘もある1).
本稿では,国内外のエビデンスをもとに,看取り期にとくに必要な家族とのコミュニケーションについて検討する.
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