特集1 やっぱり現場がスキ! ~セルフケアからキャリアアップまで~
がん看護の高みを目指す ~キャリアアップ~
髙橋 紀子
1
Noriko TAKAHASHI
1
1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター看護部/がん看護専門看護師/がん性疼痛看護認定看護師
pp.345-348
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_345
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看護師のキャリアアップ
約20年も前の話になるが,看護師のキャリアアップというと,看護管理者,学校教員などの教育者を目指すのが一般的であった.しかし,医療の高度化,専門化や国民の健康に対する関心の高まりなどから,日本看護協会では,資格認定制度として1994年に専門看護師制度,1995年に認定看護師制度を開始した.看護教育の現場では,看護学の発展に向けて看護系大学が増加,継続教育はキャリア開発を視野に入れ,ラダー制度を取り入れたカリキュラムが浸透してきている.
日本看護協会では,継続看護の基準ver.2のなかで,キャリアアップとしてジェネラリストとスペシャリストを挙げている1).ジェネラリストとは,「経験と継続教育によって習得した暗黙知に基づき,その場に応じた知識・技術・能力が発揮できる者」と定義され,一般的には,所属施設や所属部署において質の高い看護を提供する中堅看護師,キャリア中期,ベテラン看護師といわれる看護師が該当する.一方,スペシャリストとは日本看護協会が認定している「専門看護師」「認定看護師」「認定看護管理者」に加え,特定行為研修を修了した「特定看護師」が主に該当する.
今や看護師のキャリアアップは管理者や教育者だけでなく,ジェネラリストやスペシャリストといった質の高い看護,専門的に水準の高い看護(医療技術)を提供する「実践者」が加わり,キャリアの選択肢が広がっている.
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