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特集 消化管間質腫瘍(GIST)の診断と治療の最前線
II. 各論
2. 治療
4)転移・再発GISTの治療 ①切除不能GISTに対する薬物療法
Therapeutic strategies in metastatic and relapsed gastrointestinal stromal tumors:advances in pharmacological interventions
尾阪 将人
1
M. Ozaka
1
1がん研究会有明病院肝・胆・膵内科
キーワード:
切除不能GIST
,
薬物療法
,
imatinib mesilate耐性
,
新薬
Keyword:
切除不能GIST
,
薬物療法
,
imatinib mesilate耐性
,
新薬
pp.154-159
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka86_154
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切除不能な消化管間質腫瘍(GIST)に対する現行の治療戦略では,imatinib mesilateをはじめとする複数のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が中心となっている.Imatinib mesilateは一次治療薬として広く使用され,特定のKITおよびPDGFRA遺伝子変異に対する効果が確認されているが,耐性の問題も指摘されている.Imatinib mesilate耐性や特定遺伝子変異をもつGISTに対しては,sunitinib malateやregorafenib hydrateなどの後続TKIが選択され,それぞれの臨床試験結果に基づく療法が推奨されている.さらに,ripretinibやpimitespibなどの新規薬剤も開発され,特定の病態に対する治療選択肢として期待されている.日本におけるこれら新薬の承認状況と導入の遅れは治療選択に影響を及ぼしており,患者の予後の向上のためには早急な薬剤導入とさらなる治療法の開発が求められる.
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