Japanese
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特集 癌検診の展望
II. 各論
3.早期食道癌診断学50年間の歩みと展望
The 50-year progress and prospects in the diagnosis of early esophageal cancer
門馬 久美子
1
K. Momma
1
1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科
キーワード:
早期食道癌
,
拾い上げ診断
,
画像強調内視鏡
,
内視鏡的粘膜切除
Keyword:
早期食道癌
,
拾い上げ診断
,
画像強調内視鏡
,
内視鏡的粘膜切除
pp.846-856
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_846
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1966年の本邦第1例目の報告で始まった早期食道癌の研究は,この50年間に大きな変革を遂げた.ファイバースコープの導入,色素内視鏡の開発,panendoscopeの登場により,早期癌の拾い上げの方法が確立した.内視鏡的粘膜切除術の出現により,早期癌には低侵襲で機能が温存できる治療が実現した.集積された食道粘膜癌の解析により,早期食道癌の病態・形態・病理の検討がなされ,粘膜癌と粘膜下層癌とは形態が異なるため,食道癌の新病型分類がつくられ,癌の深達度を正確に表現する深達度亜分類も完成した.“食道の早期癌とは,粘膜癌である”との定義もつくられ,早期食道癌の診療・研究は,効率のよい食道癌スクリーニングの実現,内視鏡治療の適応拡大など,新たな時代を迎えている.
© Nankodo Co., Ltd., 2019