Japanese
English
バイオ時代におけるリウマチ性疾患の診療 Ⅳ.手術的治療
1.上肢
Monitored anesthesia careと超音波ガイド下選択的知覚神経ブロック併用麻酔での関節リウマチ伸筋腱皮下断裂再建術の治療経験
Surgical repair of extensor tendon ruptures in the rheumatoid wrist under the ultrasound-guided selective sensory nerve block and monitored anesthesia care
窪田 綾子
1
,
辻 健太郎
1
,
葛原 絢花
1
,
高橋 寛
1
A. Kubota
1
,
K. Tsuji
1
,
A. Kuzuhara
1
,
H. Takahashi
1
1東邦大学整形外科(大森)
1Dept. of Orthop. Surg., Toho University, Tokyo
キーワード:
extensor tendon ruptures
,
monitored anesthesia care
,
RA
,
US-guided selective sensory nerve block
Keyword:
extensor tendon ruptures
,
monitored anesthesia care
,
RA
,
US-guided selective sensory nerve block
pp.100-103
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei84_100
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は じ め に
関節リウマチ(RA)薬物治療の進歩とともに整形外科における大関節手術件数は減少しているが,手指・手関節といった小関節の手術は一定の割合で行われていることが報告されている1).RAでは手関節の罹患頻度が高く2),遠位橈尺関節障害に伴う伸筋腱皮下断裂は日常診療において経験することが多い.RA患者における伸筋腱断裂再建時の問題点として動的腱固定を確認することが困難であること,また多数腱断裂が少なくないことがあげられる.伸筋腱断裂再建時における腱縫合の緊張度決定は術者の経験に委ねられている.
現在,手外科領域においてwide awake local anesthesia no tourniquet(WALANT)が注目されている.本法は2007年Bezuhlyらによって提唱された方法である3).10万倍希釈のアドレナリン入りリドカイン塩酸塩を局所麻酔薬として用いて,鎮静や空気止血帯を利用することなく手の手術を実施することである.WALANTの利点は,術中に筋収縮と関節可動域(ROM)を術者が直視可能であることである.しかし問題点としては前腕骨など深部操作への効果が不確実であること,さらに術後早期に鎮痛効果が消失することがあげられる4).
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