股関節疾患の治療 up-to-date
小児股関節疾患の治療 先天性股関節脱臼保存的治療の進歩
朝貝 芳美
1
1信濃医療福祉センター 整形外科
キーワード:
股関節
,
股関節脱臼-先天性
,
低レベルレーザー療法
,
Riemenbuegel装具
Keyword:
Hip Dislocation, Congenital
,
Hip Joint
,
Low-Level Light Therapy
pp.7-10
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197566
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先天性股関節脱臼(先天股脱)の保存的治療について検討した。対象は先天股脱142例(平均年齢3ヵ月)で、治療法はリーメンビューゲル(Rb)132例、水平牽引後Rb再装着6例、開排位牽引4例で、整復前後に股関節周囲軟部組織の緊張除去目的に低出力レーザー照射が行なわれた。経過観察期間平均3年6ヵ月の結果、1)股関節開排制限を有した例では照射直後から平均20°改善し、以後も再発は認められなかった。2)Rb治療群の股関節開排制限を有する129例中123例では装着翌日に開排制限は改善し、残る6例も3日以内に改善した。3)牽引治療群では水平牽引(平均1ヵ月間)時の大腿骨頭はHilgenreiner線より平均7.2mm下方に引き下がり、非照射群の平均5.2mmに比し良好であった。4)Rb不成功例のうちレーザー照射で大腿骨頭が十分引き下がった例に水平牽引後Rb再装着を行った。レーザー照射で全例保存的に整復位が得られ、Perthes様変形は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010