変形性関節症 最近の知識
変形性関節症の臨床 変形性関節症の手術的治療 人工膝関節全置換術におけるシメチジンの細胞免疫能増強効果
佐藤 栄一
1
,
萩野 哲男
,
前川 慎吾
,
佐藤 信隆
,
市川 二郎
,
杉山 肇
,
浜田 良機
1山梨大学 整形外科
キーワード:
Cimetidine
,
CD4抗原
,
CD8抗原
,
細胞性免疫
,
自己血輸血
,
CD3抗原
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
Keyword:
Blood Transfusion, Autologous
,
Cimetidine
,
Immunity, Cellular
,
CD8 Antigens
,
CD4 Antigens
,
CD3 Complex
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
pp.108-110
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008207265
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当科で人工膝関節全置換術を行った変形性膝関節症55例を対象に、シメチジンを投与した28例(C群)と投与しない27例(N群)に分け、術前、術後1、3、7日目のリンパ球数、T細胞サブセット、NK細胞活性を比較検討した。シメチジンは麻酔導入直後に400mg、術翌日より800mg/日を5日間静脈内投与した。その結果、リンパ球数は両群ともに術後1日目に最低値を示し、術後7日目には術前に回復した。C群はN群に比べ、術後1日目のサプレッサーT細胞が有意に低値で、NK細胞活性は有意差がないものの高値を示した。以上より、周術期ではシメチジンはサプレッサーT細胞に影響し、NK細胞活性の低下を抑制させ、細胞性免疫を維持する効果があることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008