発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2010272454
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[研究目的]本研究の目的は、老年期乳がん患者のソーシャル・サポート・ネットワークおよびソーシャル・サポートの構成要素を記述することである。[研究方法]65歳以上の乳がん体験者を研究参加者(N=13)とする質的記述的研究をデザインした。データ収集は半構成的質問を含むインタビューガイドを使用した面接法により、また、データ分析は内容分析により行われた。[研究結果]ソーシャル・サポート・ネットワークは、配偶者、娘、息子、兄弟姉妹、孫、友人、その他であった。また、ソーシャル・サポートは、5つのカテゴリーに分類され、(1)[情緒的サポートの捉え]、(2)[道具的サポートの受領]、(3)[乳がん体験に関する情報の提供]、(4)[健康問題を持つ家族員へのケアの提供]、(5)[コンフリクトな体験]であった。[結論]老年期乳がん体験者のソーシャル・サポート・ネットワークおよびソーシャル・サポートの5つの構成要素を抽出した。医療者は、老年期乳がん体験者へソーシャル・サポートに関する情報提供を行う必要があること、家族員の健康問題の有無をアセスメントし、がん治療とケアが受けられるように社会資源の提供を行う必要性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010