発行日 2005年9月20日
Published Date 2005/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2006062516
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研究ボランティアを志願したがん患者(疾患名,病期などを統一しない)10名に対し,ストレスに関連する行動特性の変容および精神状態の改善などを目的としたSAT(Structured Association Technique)療法による介入を行い,その有効性について検討した.対象者は,介入ごとに質問紙への記入を行った.統計解析には統計パッケージSPSS11.0を使用し,介入開始から4回目までの尺度得点の変化をフリードマン検定にて比較したところ,自己抑制型行動特性p=.009(χ2=11.49,df=3),感情認知困難度p=.004(χ2=13.43,df=3)といったストレスに脆弱とされる行動特性が有意に低下し,自己価値感p=.001(χ2=16.11,df=3)で有意な上昇がみられた.家族からの情緒支援の認知p=.007(χ2=12.14,df=3),および家族以外の情緒支援の認知p=.029(χ2=9.05,df=3)で有意な上昇がみられ,SDS p=.032(χ2=8.81,df=3),STAI p=.006(χ2=12.35,df=3)で有意な低下がみられた.これらの結果から,がん患者のサポートケアとしてSAT療法という技法の一定の効果が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2005