発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2016150314
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[目的]本研究は、看護師が積極的にがん患者をアセスメントするための方法として、ロイ適応看護モデルに基づいた質問項目が活用できるかを調べることを目的とした。[方法]総合病院で放射線治療を受けているがん患者15名を対象に、ロイ適応看護モデルに基づいた質問を用いて、1人1回約60分の面接を個別に行った。回答の内容は要約し、生理的様式を除いた3つの様式において、統合レベル、代償レベル、障害レベルに分類した。[結果]【自己概念様式】の質問から、身体的自己の統合レベルとして「良好」などが、代償レベルとして「腰痛をがまんしている」などの内容が示された。人格的自己の統合レベルとして「元の生活がしたい」、「前向きに生きる」などが、代償レベルとして「治療費、再発・転移について不安」などが示された。障害レベルとして「今は先がみえない」などが示された。【役割機能様式】の質問から、統合レベルとして「社会での役割、家庭での役割、地域での役割が遂行できている」ことと、代償レベルとして「家に引きこもっている」などが示された。【相互依存様式】の質問から、統合レベルとして「家族からのサポートを受けている」などが、障害レベルとして「子どもに心配させている気持ちが強い」が示された。[結論]ロイ適応看護モデルに基づいた質問項目によってがん患者からの反応を導くことができ、それらは従来の事例検討から得られたものを支持していたため、質問項目を利用することはアセスメントの1つの有効な方法と考えられる。
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