内科医が診る不安・抑うつ どこまで診るのか、どこから診ないのか
内科疾患における不安・抑うつの診方 悪性腫瘍性疾患
保坂 隆
1
1東海大学 医学部基盤診療学系
キーワード:
暗示
,
うつ病
,
リラクゼーション療法
,
腫瘍
,
適応障害
,
認知療法
,
問題解決
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
イメージ療法
Keyword:
Adjustment Disorders
,
Depressive Disorder
,
Neoplasms
,
Problem Solving
,
Suggestion
,
Relaxation Therapy
,
Cognitive Therapy
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
Imagery (Psychotherapy)
pp.235-238
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107265
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癌患者の精神疾患有病率調査によれば、癌患者の30~40%に適応障害とうつ病がみられる。適応障害とは、うつ病ほどひどくはないが不安定な情緒状態が続いている場合をいう。適応障害の治療では、ほとんどの場合、精神療法的アプローチが基本になる。精神療法的アプローチには、(1)支持的精神療法、(2)環境調整、(3)問題解決技法、(4)認知療法、(5)暗示、(6)リラクセーション、イメージ療法などがある。うつ病では薬物療法が必要で、嘔気の少なさ、他剤への相互作用のなさからは、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が望ましく、新規抗うつ薬(NaSSA:ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)も期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2010