発行日 1998年7月20日
Published Date 1998/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.1998227187
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臨死患者が体験している感情を明らかにするために,国立がんセンター中央病院で1996年8月~1997年7月迄に死亡した患者30名の死亡前3ヵ月から死亡直前迄の看護記録に記された217の主観的データを分析対象とした.臨死患者の体験している感情は,「怒り」「不安・恐怖」「希望」「苦痛」「諦観」「寂しさ・孤独感」「自責の念」「責任感」「受容」「感謝」「否認」の11のカテゴリーで構成されていた.「怒り」が30,「不安・恐怖」が42,「希望」が41と多く認められた.年齢別の感情にも相異が認められた.「怒り」の対象は医療者が多く,「説明不足に対する不満」「部屋の環境に対する不満」「一人の人間として対応されていないことへの不満」が上位を占めていた.「不安・恐怖」の対象となるものは疾患で,「自覚症状の進行に対しての不安」「病気の進行に対しての不安」が認められた
©Nankodo Co., Ltd., 1998