腹痛を診る-非専門医に求められる初期診療 疾患各論
腹痛を訴えたときに見落としてはいけない泌尿器疾患,急がなければならない泌尿器疾患
山田 仁
1
1医仁会武田総合病院 泌尿器科
キーワード:
陰嚢
,
生殖器疾患-男性
,
創傷と損傷
,
尿閉
,
泌尿器疾患
,
泌尿生殖器腫瘍
,
腹痛
,
尿管結石症
Keyword:
Genital Diseases, Male
,
Scrotum
,
Urogenital Neoplasms
,
Urologic Diseases
,
Wounds and Injuries
,
Abdominal Pain
,
Urinary Retention
,
Ureterolithiasis
pp.765-767
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016410198
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患者は側腹部痛も下腹部痛も,外陰部痛さえ「お腹が痛い」と訴えがちで,丁寧な問診を要する.泌尿器科疾患は後腹膜臓器と外陰部臓器のため,問診で腹腔内臓器疾患とは鑑別しやすい.唯一,機能的に致死的になりうる腎不全に対しては,適切な治療が困難でも血液透析で対応可能である.急速に致死的になる病態として重症感染症と外傷性出血,とくに閉塞性腎盂腎炎と腎外傷に注意する.初期対応を誤ると,機能障害が後遺するので,腎外傷や陰嚢内容の異常については早期に泌尿器科医に相談する.とくに精索捻転については緊急性を要する.腹痛などが治まっても,水腎症や尿閉が続く場合は不可逆的な機能障害となるので注意を要する.
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