慢性腎臓病(CKD)診療を極める 診断と病因の分類
脂質異常症,メタボリックシンドローム
浅原 哲子
1
1国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター内分泌代謝高血圧研究部
キーワード:
危険因子
,
脂質異常症
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
メタボリックシンドローム
,
慢性腎臓病
,
肥満手術
,
心腎症候群
,
生活指導
Keyword:
Risk Factors
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Metabolic Syndrome X
,
Dyslipidemias
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Bariatric Surgery
,
Cardio-Renal Syndrome
pp.53-59
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016259142
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慢性腎臓病(CKD)と心血管疾患(CVD)は,高血糖,インスリン抵抗性,交感神経機能亢進,レニン-アンジオテンシン系亢進,脂質異常,炎症などの多くの共通の危険因子を有しており,相加相乗的に悪化する(心腎連関).なかでも,メタボリックシンドローム(MetS)は重要な危険因子であり,CKD・CVDの発症・進展抑制のためには生活習慣改善や減量指導が欠かせない.また,多くの疫学研究よりスタチンによる尿蛋白減少効果や腎障害進行抑制効果が示された.さらにはSHARP試験からもスタチンとezetimibe併用療法によるCVDの発症抑制効果が期待されている.今後さらに,心腎連関に対する脂質異常症・MetSの影響と治療効果に関するわが国のエビデンスの集積が重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016