慢性腎臓病(CKD)診療を極める
CKDステージが進行した患者と高齢者のCKD対策と今後の課題
斎藤 知栄
1
,
山縣 邦弘
1筑波大学 医学医療系臨床医学域腎臓内科学
キーワード:
降圧剤
,
高血圧
,
糖尿病
,
予後
,
低タンパク食
,
慢性腎臓病
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Diabetes Mellitus
,
Hypertension
,
Prognosis
,
Diet, Protein-Restricted
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.19-24
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016259136
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進行したCKD症例を対象として,腎専門医が診療の中心となり腎機能悪化抑制のための有効な診療に向けて「CKDステージG3b~5患者のための腎障害進展予防とスムーズな腎代替療法への移行に向けた診療ガイドライン2015」を作成した.一般に,加齢とともに腎機能は低下し,わが国では60歳代では男性の約3%,女性の約45%が推算GFR 60mL/分/1.73m2未満,すなわちCKDステージG3以降であると推測されている.高齢者のCKDでは,脱水や電解質異常をきたしやすく,AKIを合併すると予後不良となる.また高血圧の合併や心血管病の合併も多く,フレイルによる要介護リスクも高い.CKDステージG3b以降の診療においては,その治療内容がエビデンスレベルの低い方法が大半であることがガイドライン作成の工程で判明した.今後は高齢者を対象とするデザインを含めた新たな臨床研究・介入方法を実施することにより,良質なエビデンスの創生を図ることが求められる.
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