慢性腎臓病(CKD)診療を極める
CKDに関する大規模臨床研究と診療ガイドライン
藤野 貴行
1
,
長谷部 直幸
1旭川医科大学 循環・呼吸・神経・病態内科
キーワード:
降圧剤
,
高血圧
,
腎動脈閉塞症
,
診療ガイドライン
,
ランダム化比較試験
,
オーダーメイド医療
,
慢性腎臓病
,
経皮的腎血管形成術
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Hypertension
,
Renal Artery Obstruction
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Practice Guidelines as Topic
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Precision Medicine
pp.5-11
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016259134
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ガイドラインは患者に対する包括的な指針を示すことはできるが,個々の症例に対する治療経験に着目したテーラーメード医療とは相容れない部分がある.観察研究では低い血圧と良好な予後との関連は示されているが,ランダム化比較試験では明確ではないため,最近のガイドラインの降圧目標値は以前より緩和されている.最近の大規模臨床試験では高齢者で多く構成されているCKDにおけるSPRINT試験や多発性嚢胞腎を対象としたHALT-PKD試験では,病初期からの厳格な血圧管理の重要性が示されている.腎動脈狭窄症に対する経皮的腎血管形成術(PTRA)は,PTRA+降圧療法併用は降圧療法単独での治療を上回る優位性は大規模臨床試験では認められていないが,一部の対象ではPTRAが有用であり,個別化評価を行う.
©Nankodo Co., Ltd., 2016