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NSAIDs(鎮痛薬)は有効?
川人 豊
1
1京都府立医科大学 大学院医学研究科免疫内科学
キーワード:
Acetaminophen
,
胃潰瘍
,
関節リウマチ
,
十二指腸潰瘍
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
Proton Pump Inhibitors
,
侵害受容性疼痛
,
疼痛管理
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Acetaminophen
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Duodenal Ulcer
,
Stomach Ulcer
,
Proton Pump Inhibitors
,
Pain Management
,
Nociceptive Pain
pp.1139-1142
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016214742
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侵害受容性疼痛の第一選択薬は,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)である.NSAIDsは,関節リウマチ(RA)の治療戦略のなかでは補助的な薬剤の位置づけで,この薬剤のみではRAの根本的な治療にはならない.RAの疼痛制御は患者の精神面にも影響し,ADLを高めるため,NSAIDsの使用はRA治療の日常臨床ではなくてはならないものである.NSAIDsのもっとも注意すべき副作用に上部消化管障害があるが,近年cyclooxygenase(COX)-2選択的阻害薬の使用とプロトンポンプ阻害薬の併用治療が普及しつつある.acetaminophenや非オピオイド鎮痛薬をうまく併用し,NSAIDsの使用量を減量して慢性疼痛にも効果的な治療を行うことが今後の疼痛治療に求められる.
©Nankodo Co., Ltd., 2016