医療関連感染症 起こさないためにどうするか? 起きてしまったらどうするか? 患者背景ごとの医療関連感染症への対応
発熱性好中球減少症
冲中 敬二
1
1国立がん研究センター中央病院 総合内科
キーワード:
抗感染剤
,
院内感染
,
鑑別診断
,
病歴聴取
,
リスク評価
,
好中球減少症-発熱性
Keyword:
Anti-Infective Agents
,
Diagnosis, Differential
,
Cross Infection
,
Medical History Taking
,
Risk Assessment
,
Febrile Neutropenia
pp.875-880
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014039695
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発熱性好中球減少症は内科緊急疾患のひとつであり,早急な抗菌薬治療開始が必要である.好中球減少期は,身体所見・検査所見が非典型的な場合も多いため,微細な所見にも注意を払う丁寧な問診,診察が不可欠である.原則的には入院治療が必要で,抗緑膿菌作用のあるβラクタム系抗菌薬での治療開始が必要であるが,実際の薬剤選択は施設のantibiogramや患者個々の背景によって選択すべきである.治療開始後も発熱が続く場合は再評価を行い,臨床および微生物学的情報に基づいて変更する.この際,抗菌薬変更,追加の理由(新たにターゲットとすべき病原体など)を念頭に置くべきであり,「何となく変更する」ことは控える.
©Nankodo Co., Ltd., 2013