心不全

循環器疾患(脳心血管疾患)の予防･管理のためには,メタボリックシンドロームをはじめ古典的な危険因子である生活習慣病を厳格に管理する必要がある.しかし,慢性心不全における栄養状態の悪化には,安静時エネルギー消費量(resting energy expenditure:REE)の増大が関与する.とくに心臓悪液質(cardiac cachexia)をもたらす心不全の場合は低栄養であることも多く,非常に予後不良のため,栄養状態の維持･改善への対策はほかの薬物療法や運動療法と並んで重要である.病態に合ったバランスのよい食事を指導する必要があり,さらには患者および家族へのチーム医療としての包括的管理･教育が非常に重要である.