最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 国として終末期を支えるには
報道の立場から 幸せな最期を支える医療とは
山脇 絵里子
1
1共同通信 社会部
キーワード:
幸福
,
ターミナルケア
,
ジャーナリズム
,
貧困
,
治療の差し控え
,
保健医療格差
Keyword:
Happiness
,
Poverty
,
Terminal Care
,
Journalism
,
Withholding Treatment
,
Healthcare Disparities
pp.1424-1427
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056537
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終末期医療に関する報道は2006年3月に富山県の射水市民病院が公表した末期患者の人工呼吸器取り外し問題をきっかけに急増した.共同通信社会部は終末期医療を取り巻く現状を多角的に伝え,読者とともにありようを考えようと,2007年に1年間にわたる長期連載を配信,並行して医療機関の全国調査など医療現場の苦悩をあぶり出すマクロな報道を試みた.終末期医療は社会的側面が大きく,都会と地方の医療格差,貧困問題など国の姿も映し出す.とりわけ多死時代を迎え,独居のお年寄りらがケアを受けながら安心して暮らせる「終の棲家」の確保が重要課題で,「幸せな最期を支える医療はどうあるべきか」という議論を社会全体で熟成させるために報道機関が果たすべき役割は大きい.
©Nankodo Co., Ltd., 2013