ネフローゼ症候群 診療の新たな潮流 ネフローゼ症候群の治療
腎保護作用の観点からみた薬物療法 レニン-アンジオテンシン系阻害薬,スタチン,抗血小板療法の位置付け
奥田 拓史
1
,
阿部 倫明
,
清元 秀泰
1東北大学 統合遠隔腎臓学分野
キーワード:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
ネフローゼ症候群
,
血小板凝集阻害剤
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
Keyword:
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors
,
Nephrotic Syndrome
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Angiotensin II Type 1 Receptor Blockers
pp.751-754
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356255
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ネフローゼ症候群の治療において,レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬,スタチン,抗血小板療法の直接的な効果は示されてはいない.概して一次性ネフローゼ症候群の治療は免疫抑制療法が,二次性ネフローゼ症候群の場合は基礎疾患の治療が中心となる.これらの薬剤はネフローゼ症候群の原疾患によってはある程度の効果が期待できるが,あくまで主治療の補助療法であり,難治性ネフローゼ症候群の合併症に対する補助療法として考慮されるものである.ネフローゼ症候群に限らず慢性腎臓病(CKD)ではRAS阻害薬,スタチンや抗血小板薬が,ある程度の腎保護効果を発揮することが報告されており,個々の症例に応じた適切な使用が重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013