寛解を目指す膠原病診療
リウマチ性疾患のバイオマーカー
柱本 照
1
1神戸大学 医学部保健学科臨床免疫学
キーワード:
生物学的マーカー
,
関節リウマチ
,
強皮症-全身性
,
筋炎-多発性
,
エリテマトーデス-全身性
,
皮膚筋炎
,
リウマチ性疾患
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Dermatomyositis
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Scleroderma, Systemic
,
Rheumatic Diseases
,
Biomarkers
,
Polymyositis
pp.107-111
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013227272
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バイオマーカーとは,疾病の生物学的病理学的背景を反映し,治療標的となりうる分子を包括する客観的指標である.リウマチ治療薬の標的であるTNF-α,IL-6,CTLA4,Jak3,Syk,RANKLは,いずれもがバイオマーカーの側面をもつ.抗dsDNA抗体,補体に加え,TWEAK,BLyS,NMDA受容体などがSLEの臓器障害を反映するマーカーとして注目されている.肺線維症に対する信頼性の高い血清マーカーはSP-DとKL-6であり,間質性肺炎の進展については気管支肺胞洗浄液の解析が重要である.ET-1は肺高血圧症の診断に有用なバイオマーカーとされる.抗CADM-140抗体は間質性肺炎を合併する筋症状に乏しいDM患者群に特異性が高く,抗体陽性患者の予後はきわめて不良である.
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