内科医が診る不安・抑うつ どこまで診るのか、どこから診ないのか
内科医にうつ病をどこまで診てほしいか
野村 総一郎
1
1防衛医科大学校 精神科学講座
キーワード:
うつ病
,
自殺未遂
,
心理的ストレス
,
双極性障害
,
チーム医療
,
DSM
,
自己評価式抑うつ尺度
Keyword:
Bipolar Disorder
,
Depressive Disorder
,
Patient Care Team
,
Suicide, Attempted
,
Stress, Psychological
,
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
pp.192-196
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107256
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内科医はうつ病医療に積極的に関与すべきである。しかし、うつ病医療には自殺や慢性化などのリスクがあるので、これらを意識したうえでの関与が必要である。それにはうつ病の分類、基本概念を理解すること、そのための学習が必要である。自己記入式の心理テストのみを行って、診断を行ったように錯覚することはときに危険である。自殺企図の既往がある場合、ストレス状況が大きく絡む場合、ほかの精神障害の併発が疑われる場合、軽いが慢性的にうつ病が経過している場合、明らかな双極性障害である場合などは、精神科に依頼したほうが無難であろう。薬物療法のみならず、精神療法の基本も身につけるようにしたい。常に精神科医との連携を行うように心がける。
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