寛解を目指す膠原病診療 早期診断と治療
全身性エリテマトーデス
前嶋 明人
1
,
野島 美久
1群馬大学 生体統御内科学
キーワード:
生物学的マーカー
,
Steroids
,
エリテマトーデス-全身性
,
分類
,
免疫抑制剤
,
腎炎-ループス
,
アルゴリズム
,
寛解導入
,
パルス療法(薬物療法)
Keyword:
Algorithms
,
Classification
,
Immunosuppressive Agents
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Lupus Nephritis
,
Steroids
,
Remission Induction
,
Biomarkers
,
Pulse Therapy, Drug
pp.33-37
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013227259
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ループス腎炎は,全身性エリテマトーデス(SLE)の予後を規定する重要な臓器合併症である.ステロイドの普及,cyclophosphamideなどの免疫抑制薬の登場,透析医療の向上により,近年,SLEの生命予後は飛躍的に改善し,さらにマルチターゲット療法(ステロイド+mycophenolate mofetil+tacrolimus)やrituximabをはじめとする各種生物学的製剤の有効性も報告され,治療の選択肢が増えつつある.昨今の死因の第1位は感染症であり,強力な免疫抑制療法に伴う日和見感染が問題になっている.また,ステロイド長期投与による骨粗鬆症,動脈硬化なども懸念されており,生命予後を改善することからQOLを保つことに管理目標が移りつつある.各種薬剤のリスクとベネフィットを考慮しつつ,病態に応じた特異的な治療法の確立が望まれる.
©Nankodo Co., Ltd., 2013