その輸液、間違っていませんか?-輸液のコントラバシーとピットフォール
米国での輸液教育とは
三枝 孝充
1
1サウスカロライナ大学 腎臓内科
キーワード:
Glucose
,
Sodium
,
高張食塩水
,
浸透圧
,
体内水分
,
輸液療法
,
生理食塩水
,
Ringer液
,
アルカリイオン水
,
自由水
Keyword:
Body Water
,
Glucose
,
Osmotic Pressure
,
Sodium
,
Saline Solution, Hypertonic
,
Ringer's Solution
pp.200-205
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012143514
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●輸液を理解するためには、まず「塩(Na+)」と「水」が体内でどのように分布しているかを理解する必要がある。Na+とは、細胞外の浸透圧を維持する主要な溶質であるが、「水」は細胞内外をこの浸透圧勾配によって移動する。したがって、血漿Na+の値は「水と溶質の比」を意味し、細胞外液中のNa+や水の絶対量を示すものではない。●5%ブドウ糖液を輸液した場合、投与したうちの1/3が細胞外に留まるが、生理食塩水(生食)は100%細胞外に留まることを理解する。volume depletionがある場合、等浸透圧性輸液の投与から開始するのが原則である。●血漿Na+異常がある場合、それに応じた輸液を選ぶ必要があるが、そのためには「自由水やNa+の補正」の目安を知る必要がある。●主要な輸液の種類とその使用方法を理解する。
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