《高齢者の救急疾患》尿路感染症

･高齢者における尿路感染を考えるうえで加齢の問題を考える必要がある。･加齢に伴って、排尿状態が悪化し、また、免疫力を含めた感染防止機構が脆弱化する。･そのうえ、昨今では院内感染が大きな問題となっており、医療サービスを受ける機会の多い高齢者はとくに、院内感染や耐性菌に晒されることが多くなる。･以上のことから高齢者の救急医療における尿路感染症は、若年健常者と比較して頻度も高く、重症化しやすい。･本稿では、これら高齢者を取り巻く環境と尿路感染の発生について概説する。