糸球体疾患 腎炎からネフローゼまで、最高の診療を目指して
糸球体疾患の診断と病態生理 糸球体疾患の危険因子 疫学研究による発見
鶴屋 和彦
1
,
平方 秀樹
1九州大学 大学院包括的腎不全治療学
キーワード:
アルブミン尿
,
危険因子
,
エリテマトーデス-全身性
,
糸球体硬化症-巣状分節性
,
糸球体腎炎
,
糸球体腎炎-IgA
,
糸球体腎炎-膜性
,
腎硬化症
,
タンパク尿
,
糖尿病性腎症
,
腎炎-ループス
,
病勢悪化
Keyword:
Albuminuria
,
Diabetic Nephropathies
,
Glomerulonephritis
,
Glomerulonephritis, IGA
,
Glomerulosclerosis, Focal Segmental
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Lupus Nephritis
,
Nephrosclerosis
,
Risk Factors
,
Proteinuria
,
Glomerulonephritis, Membranous
,
Disease Progression
pp.24-29
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010250359
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一般住民を対象とした疫学研究で糸球体疾患の発症に寄与する因子を検討した報告はほとんどない。糸球体疾患の特徴である蛋白尿、微量アルブミン尿、糸球体硬化の発症に、加齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙など動脈硬化症の古典的危険因子が寄与している。糖尿病患者における顕性腎症の発症には、高血圧、血糖管理不良に加えて、高尿酸血症や喫煙が寄与している。全身性エリテマトーデスの症例登録研究で、抗SS-B/La抗体や子宮摘出術がループス腎炎の発症に抑制的に作用している可能性がある。原発性糸球体疾患の進行には性別が影響し、男性の腎生存率が有意に低い。巣状糸球体硬化症では、低年齢のほうが予後不良である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010