糸球体疾患 腎炎からネフローゼまで、最高の診療を目指して
糸球体疾患の診断と病態生理 血尿の患者が内科受診したときに期待される診方
榎本 裕
1
,
本間 之夫
1東京大学医学部附属病院 泌尿器科
キーワード:
血尿
,
検尿
,
鑑別診断
,
泌尿器腫瘍
,
病院内科
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hematuria
,
Urologic Neoplasms
,
Urinalysis
pp.19-23
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010250358
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血尿は肉眼的に認識される肉眼的血尿と、臨床検査によって明らかになる顕微鏡的血尿に分けられる。顕微鏡的血尿は健康診断等で頻繁に検出される異常であり、高齢者ではとくに頻度が高くなる。顕微鏡的血尿患者における腎泌尿器的疾患の頻度は高いものではないので、医療経済効率を考慮しつつ検査を行う必要がある。このとき、とくに尿路悪性腫瘍の見逃しがないように注意する。肉眼的血尿患者では、泌尿器科的疾患を想定した検査が行われるが、やはり尿路悪性腫瘍を念頭に置いた検査が必要である。いずれにせよ、腎臓内科や泌尿器科専門医への適切なタイミングでの紹介を含め、一般内科医の果たすべき役割は重要であり、十分な理解が望まれる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010