造血幹細胞移植の多様性に迫る 質の高い治癒を目指したアプローチ
トピックス 造血幹細胞移植領域における臨床研究の方法論
鈴木 律朗
1
1名古屋大学 造血細胞移植情報管理・生物統計学
キーワード:
腫瘍
,
薬物用量反応関係
,
EBM
,
研究デザイン
,
造血幹細胞移植
,
第I相試験
,
第II相試験
,
第III相試験
,
新薬開発
Keyword:
Dose-Response Relationship, Drug
,
Neoplasms
,
Research Design
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Clinical Trials, Phase I as Topic
,
Clinical Trials, Phase II as Topic
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Evidence-Based Medicine
,
Drug Discovery
pp.322-329
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009299264
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臨床医が日常臨床から得られた「思いつき」をエビデンスにしていくのが、臨床試験である。個人の経験を一般論にするには客観的な証明が必要であり、そのハードルは実はかなり高い。造血幹細胞移植の領域では、対象患者が少ないこと、血液臨床医が日々多忙であること、医療の進歩の速度が速いことなど、臨床試験の実施に対する阻害要素は枚挙にいとまがないが、世はEBM(evidence based medicine)のご時世、いつまでも経験論だけに頼るわけにもいかない。「方法論を知れば、百戦危うからず」といくかどうかはわからないが、まずは臨床試験の方法論を知るべきであろう。最近の新しい考え方として、ベイズ統計学に基づいたadaptive designという手法も登場しており、これらはまだ発展途上であるが、これまでの臨床試験方法論の問題点を解決する救世主になる可能性もある。
©Nankodo Co., Ltd., 2009