腫瘍内科診療データファイル
疾患からみる各種癌の診断・治療 脳・頭頸部 脳腫瘍
田中 実
1
,
藤堂 具紀
1東京大学 脳神経外科
キーワード:
Nimustine
,
膠芽腫
,
星状細胞腫
,
頭部照射
,
脳腫瘍
,
乏突起神経膠腫
,
配列分析
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Temozolomide
,
陽電子放射型断層撮影
,
頭部CT
Keyword:
Brain Neoplasms
,
Astrocytoma
,
Glioblastoma
,
Oligodendroglioma
,
Cranial Irradiation
,
Nimustine
,
Sequence Analysis
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Positron-Emission Tomography
,
Temozolomide
pp.1114-1123
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061399
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代表的な悪性脳腫瘍の画像診断および病理診断、治療法、治療成績について簡潔に述べた。とくに乏突起膠腫では遺伝子解析が重要であり、1番染色体短腕と19番染色体長腕の欠失が予後因子と認識されている。退形成性星細胞腫や膠芽腫の化学療法は、従来nimustineなどの注射剤が中心であったが、temozolomideという新しい内服薬が登場した。注射剤と比較して骨髄抑制が軽く、その治療効果も証明されている。膠芽腫などでは、ここ数十年、治療成績が伸びていない。放射線治療は、腫瘍局所に60Gyまで照射するのが標準であるが、ホウ素中性子捕捉療法の改良が行われ、局所に140Gy相当の線量を安全に照射することが可能となっている。悪性脳腫瘍の治療には集学的治療が必要であるが、高齢者では全身状態に応じた個別の治療計画を立てるべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007