脂質異常症 基本を踏まえた実践
こんな脂質異常にはどうすべきか? III型高脂血症
衛藤 雅昭
1
,
服部 由香
,
上妻 いくえ
,
斉藤 美恵子
1奥羽大学 薬学部疾患薬理学
キーワード:
Clofibric Acid
,
脂質異常症
,
食事療法
,
ポリアクリルアミドゲル電気泳動
,
糖尿病
,
発生率
,
Remnant-Like Particle Cholesterol
,
メタボリックシンドローム
,
早期診断
Keyword:
Clofibric Acid
,
Diabetes Mellitus
,
Diet Therapy
,
Electrophoresis, Polyacrylamide Gel
,
Incidence
,
Metabolic Syndrome
,
Early Diagnosis
,
Dyslipidemias
,
Remnant-Like Particle Cholesterol
pp.64-68
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009072540
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III型高脂血症は、レムナントリポ蛋白(レムナント)が血中に増加する典型的な疾患である。レムナントは、LDLと同様に動脈硬化惹起性リポ蛋白である。アポE2/2遺伝型を基盤として、糖尿病やメタボリックシンドロームを合併して発症することが多い。レムナントの増加のために、早期に冠動脈硬化症を発症する。血中トリグリセリド、総コレステロール両方高値(トリグリセリド高値が優位)、総コレステロールの高値にかかわらずLDLコレステロールの低値、かつレムナント(RLP)コレステロールの異常高値を確認することが診断の要点である。III型高脂血症は治療によく反応することから、早期診断と早期治療がきわめて重要である。薬物療法としては、レムナント低下作用がもっとも強力なフィブラート系薬剤が第一選択薬となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009