発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008300511
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80歳男。健忘が目立つようになり、donepezilが処方となった。短期記銘力障害、失見当識、錯誤行為が続いた。頭部CT、MRI所見にて脳溝の拡大、側頭葉内側底部の萎縮、海馬の萎縮を認めた。これまでの経過と現在の状態、検査結果より、晩発性アルツハイマー病型認知症と診断した。外来通院を規則的に行い、訪問看護、老人デイケア、介護老人保健施設のショートステイを使いながら在宅にて治療とリハビリテーションを行った。次第に認知症症状が進行し、長期記憶の障害、思考判断力の障害により日常生活が次第に困難となり、また周辺症状(BPSD)として興奮、易怒、妻への暴言、暴力が頻回になった。認知症治療病棟に緊急入院となった。mianserin、zolpidemに、tandospironeを加え漸増した。不安、焦燥を伴った不穏状態は次第に減少し、睡眠もとれるようになった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008