B型肝炎の新たな治療展開
B型肝炎ウイルスの基本的理解のために B型肝炎ウイルスのcovalently closed circular(ccc)DNA
吉岡 健太郎
1
1藤田保健衛生大学 肝胆膵内科
キーワード:
環状DNA
,
B型肝炎ウイルス
,
生活環(無脊椎動物)
Keyword:
DNA, Circular
,
Hepatitis B virus
,
Life Cycle Stages
pp.623-626
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346139
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
cccDNAは、肝細胞核内で長期間維持され、HBV複製の鋳型として機能している。そのためcccDNAは持続感染の維持、治療に対する抵抗性および感染の再活性化に重要である。ポリメラーゼ阻害薬はcccDNAを破壊しないので、cccDNAの減少は少ない。少量のcccDNAが残っていると、治療中止により、肝炎が再発する。肝炎が強いほど、cccDNAを含む肝細胞が破壊され、治療効果が高くなると思われる。無症候性キャリアでも、免疫が抑制されると、残っているcccDNAにより肝炎が再発する。cccDNA量測定により、適切な治療中止時期や免疫抑制時の抗ウイルス療法の必要性を判断できるかもしれない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007