びまん性肺疾患 病態に基づいた最新治療
びまん性肺疾患発症関連因子 びまん性汎細気管支炎とムチン遺伝子
松下 育美
1
,
神尾 孝一郎
,
慶長 直人
1国立国際医療センター研究所 呼吸器疾患研究部
キーワード:
Mucins
,
細気管支炎
,
遺伝子多型
,
転写活性化
,
Mucin-5B
Keyword:
Bronchiolitis
,
Mucins
,
Polymorphism, Genetic
,
Transcriptional Activation
,
Mucin-5B
pp.302-305
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007121183
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気道過分泌がみられるびまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)と、ムチン遺伝子群の遺伝子多型との関連を検討した。気道に発現するムチン5B(MUC 5B)遺伝子変異のうち、遺伝子制御領域の2塩基の挿入は疾患群に、欠失は対照群に高頻度に認められた。MUC 5B遺伝子の転写活性を比較した。欠失変異は遺伝子発現を抑制し疾患抵抗性に、挿入変異は発現を増強させ疾患感受性に働く可能性が示唆された。MUC 5Bの気管支、肺での発現を免疫染色にて確認した。DPBではMUC 5Bの異所性発現が認められ、それに伴う気道粘液分泌亢進が病態に重要と推測される。
©Nankodo Co., Ltd., 2007