発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005138919
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痴呆症状は,中核症状と周辺症状に大別される.donepezil(アリセプト)の登場によりアルツハイマー型痴呆,びまん性Lewy小体病の中核症状を一時的に改善ないし進行の抑制を図ることが可能となった.中核症状(記憶障害,失見当,判断力障害など)の改善は医療経済学的にも有意義であるが,donepezilの用量を誤るとかえって患者の陽性症状(興奮,徘徊など)を悪化させることがある.痴呆症への処方でもっとも大事なことは,陽性症状を低減して介護を楽にすることであるから,そのための「抑制系」薬剤(tiapride,haloperidolなど)の使用法を体得し,donepezilの用量設定のために介護者の協力を得ることが必要となる
©Nankodo Co., Ltd., 2005