発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003286869
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51歳男.手指腫脹と四肢末梢のチアノーゼを主訴に受診し,全身性硬化症(SSC)と診断された.更に,う歯多数で口渇あり,唾液腺造影で耳下腺萎縮が認められた.乾燥性角結膜炎を伴っていて,Sjogren症候群の合併も認めた.偽性腸閉塞で人退院を繰り返した.呼吸困難,頻呼吸が出現し,入院となった.高度貧血には輸血で対応した.皮膚硬化のため開口が困難で,上部消化管内視鏡は施行できなかった.呼吸不全に対して酸素投与を行った.心エコーでEF66%と左室収縮能は正常範囲内であったが,胸部X線像上肺うっ血が出現,増強した.心不全と考え,利尿薬とnitroglycerin投与で心不全の治療を行った.しかし,呼吸困難が急速に増悪し,患者の苦痛が著しく,緩和医療としてmorphine hydrochlorideを投与した.第6病日,代謝性アシドーシス,高K血症をきたし,死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2003