発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003111257
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79歳男.胸焼けを主訴とした.上部消化管内視鏡検査で食道裂孔ヘルニアおよび胃食道逆流症(GERD)を認めた.迅速ウレアーゼ試験および血中Helicobacter pylori(HP)抗体陽性であったため,HPの除菌療法(アンピシリン,クラリスロマイシンを1週間,ランソプラゾールは8週間内服後にラニチジンに変更)を行ったが,開始5ヵ月後より症状は増悪した.GFS所見で,発赤および糜爛は除菌療法開始前と比較して明らかに増悪していた.ラニチジンをランソプラゾールに戻したところ,症状は改善した.逆流防止機構が破綻をきたしている症例に対し,HP陽性GERDの除菌療法は控える方が良いと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002